自己破産したら賃貸物件は借りられない??
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予期せぬ借金をつくってしまい返済ができなくなった人が裁判所で手続きをすることで借金の支払い義務が免除されるのが「自己破産」です。自己破産をすると、最低限の生活費、生活用品(衣類や家電等)以外、財産は没収されます。自己破産を機に家賃が安いところに引越し生活を立て直ししたいと考える人もいるでしょう。
しかし、自己破産をしてしまったら賃貸物件が借りることができるのか?または今住んでいる賃貸住宅から退去しないといけないとか?心配にになる方もいるでしょう。
自己破産。今の賃貸住宅に住み続けられる?
法律的には自己破産を理由に賃貸借契約の解除により退去となることはありません。ただしそれは、自己破産後、家賃を滞りなくしっかり支払いをしていれば・・です。
自己破産したことを家主や管理会社に申告する必要は基本的にはありません。しかし、自己破産手続き中に財産を管理する破産管財人が破産者の財産を債権者に分配して精算していきます。家主は利害関係者となりますので、破産管財人から通知がいけば自己破産したことは知られることにはなります。
前述の通り、自己破産を理由に賃貸借契約を解除される・・といったことはありません。賃貸借契約書に「破産宣告の申立てを受けた場合は賃貸借契約を解除できる」といった特約があっても、2004年の破産法改正により、自己破産を理由とした賃貸借契約の解除は不可となりました。借金がなくなったとしても住む場所を失ってしまえば仕事にも支障がでてその後の生活が成り立たなくなってしまうからです。
家賃を滞納していた場合はどうなる?
自己破産を理由に賃貸借契約を解除されることはありませんが、家賃対応は契約解除の理由となります。家賃の支払いは本来1日でも遅れることはNGです。家賃振込が数日なければ電話やメールで連絡がきます。1か月近く家賃支払いがなければ書面で督促状が送られます。3か月続くと内容証明で契約解除通知が届く場合があります。
具体的にどれくらいの期間、家賃対応すると契約解除になるかは賃貸借契約により異なります。一般的には3か月以上が目安とされています。
自己破産後の生活水準を見直し、家賃の支払いが難しいようなら住み替えも検討しましょう。
自己破産しても新たに賃貸住宅を借りることはできる?
自己破産していても、賃貸物件を借りることができるのか?という疑問もあるでしょう。可か否かというと可です。しかし、入居審査に落ちてしまう可能性があるので注意が必要です。
賃貸物件の入居申し込みをすると入居審査が行われます。
入居審査には①貸主・不動産管理会社の審査と②家賃保証会社の審査があります。
①貸主・不動産管理会社の審査
主に、「家賃を滞納せずに支払をしてくれるか、トラブルを起こさないか」をチェックします。家賃の支払い能力は、年収・勤務先・勤続年数等から総合的に判断します。口座残高を確認がある場合もあります。
②家賃保証会社の審査
昨今、ほぼすべての賃貸物件で加入が必須とされているのが家賃保証会社です。本人確認・支払能力・家賃比率も審査されます。さらに、個人信用情報機関(CIC:指定信用情報機関、JICC:日本信用情報機構)にクレジットカードの支払い状況を確認する保証会社もあります。ローンや家賃の滞納履歴も確認されます。
自己破産の情報は消えない?自己破産することでのデメリット?
クレジットカードの支払い等の返済を延滞すると、「ブラックリストに載ってしまったかも・・」と、思ってしまうことはありませんか。実際には「ブラックリスト」というものはありません。しかし、信用情報機関による「信用情報」には、クレジットやローン返済などに関する個人の情報が登録されていて、顧客の信用を見極めるたまの参考資料として利用されます。自己破産の手続きを行うと、その信用情報に「事故情報」として登録されてしまいます。
この「事故情報」が残っている間は「信用できない」とみなされ、あたらしく借入をしたらクレジットカードをつくることができません。
自己破産の手続きで、これまで利用していたクレジットカードも強制解約になるので、公共料金や家賃等をクレジットカード払いにしていた場合、請求書払いや口座引き落としに変更しなければなりません。
新たに賃貸物件を借りる場合、保証会社の審査で信用情報を参考にするところも多いので審査に影響がでてきます。
信用情報機関には、クレジット会社が加盟するCIC(指定信用情報機関)、消費者金融系会社が加盟するJICC(日本信用情報機構)、銀行は信用金庫が加盟するKSC(全国銀行個人情報センター)の3つがあります。自己破産の手続きをおこなうと、JICCとKSCに事故情報として登録されます。事故情報を保有する機関は5~7年といわれています。
自身の事故情報が登録されているかは、信用情報機関に開示請求をすることで照会できます。開示請求には手数料が必要です。この手数料は各機関により異なります。
入居のとき、保証人・保証会社の審査は?
昨今、保証人はつけず家賃保証会社の利用を必須とする物件がほとんどです。
家賃保証会社は主に3つに分けることができます。
①信販系
クレジットカードの信用情報を照会して審査をします。自己破産の手続きをすると事故情報が登録されるので入居審査は厳しいと考えられます。
②協会系
全国賃貸保証業協会(LICC)に加入している保証会社です。同じ協会に加盟する別の保証会社の信用情報が共有されるため、家賃滞納歴などが審査の判断材料となります。
③独立系
前述の信販会社の信用情報や協会のデータベースではなく、独自の審査基準を設けている会社です。申込の際に得ている収入や勤務先の情報で審査をおこないます。
保証会社への加入不要な物件を探す?
ほとんどの物件で保証会社の利用が必須となっていますが、公営住宅やUR賃貸住宅であれば保証会社や保証人は不要で申し込むことができます。
公営住宅は都道府県や市町村が建築した公的賃貸住宅です。月収に基準が設けられ、入居者の収入により家賃が変動します、入居者は抽選で決定します。
UR賃貸住宅は、UR都市機構(独立行政法人)が管理運営する公的な賃貸住宅です。敷地内に公園や保育園、病院などがある物件もあります。部屋の面積も広いものもありますが家賃は高めに設定されている傾向があります。申込の基準が平均月収が家賃の約4倍以上ないといけないなど審査基準が少し厳しいところがあります。
公営住宅やUR賃貸住宅は、礼金や仲介手数料、更新料がかからないメリットがあります。
契約をするには、どんなことに注意する?
不動産会社に自己破産をしたことを伝えなくても、保証会社の審査に通らないなどあればいずれは発覚します。不動産会社に申告する義務がありませんがあらかじめ相談しておけば物件を探すときに考慮して紹介してくれます。
まとめ
自己破産したときの住まい探しについて紹介してきましたが、引越しをする前提として、家賃の支払い能力をつけて、支払続けることが大切です。現在の生活水準や収入にあった物件を探しましょう。